研究課題
本研究では脳機能的ネットワークにおける神経活動の過活動が、変異型Aβの細胞外凝集、ミクログリアの活性化による炎症惹起、酸化ストレス増加による細胞内変異型Aβ増加というADの分子病理学的異常を促進し、かつネットワーク間の機能的結合に沿って進展していくのではないかという仮説に基づいて研究を行った。まず安静時fMRI/MEG撮像によるマクロの脳コネクトーム変化を検出し,アミロイド・ミクログリアPETによるミクロの病理学的異常を可視化することを当初の目的とした。AD患者において安静時fMRIを実施し、健常人と比較して後部帯状回と前頭葉との機能的結合が減少することを証明した。さらにADの特徴的な臨床徴候である時間見当識と脳コネクトームとの関連を検討したところ、時間見当識が不良なAD症例では、後部帯状回と注意ネットワークに属する右中側頭回との機能的コネクトーム変化が生じることを見出し学会発表を行うとともに、論文にまとめ報告した(Brain imaging and behavior, in press)。安静時fMRIを用いたマクロのコネクトーム変化を見出すことができたため、今後ミクログリアによる変化がコネクトーム変化に伴うかどうかを検証するためアミロイド・ミクログリアPETによる研究の準備を進める予定である。さらに通常の抗認知症薬に加えて反復経頭蓋磁気刺激や、抗アミロイド効果が報告されているアポモルフィンを使用することでADによるコネクトーム変化が改善するかどうかも検証する。
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Brain imaging and behavior
巻: in press ページ: in press
0.1007/s11682-018-9860-x.