研究課題/領域番号 |
15K09357
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研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
高橋 純子 岩手医科大学, 医学部, 助教 (00423989)
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研究分担者 |
米澤 久司 岩手医科大学, 医学部, 准教授 (20240377)
寺山 靖夫 岩手医科大学, 医学部, 教授 (70146596)
佐々木 真理 岩手医科大学, 医学部, 教授 (80205864)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | アルツハイマー病 / 軽度認知障害 / MRI / 拡散尖度イメージング |
研究実績の概要 |
本研究では,拡散尖度イメージング(DKI)を用い,アルツハイマー病(AD)症例を発症以前に識別し,神経細胞の変性の部位的,経時的進行様式を解明する.DKIは,神経細胞の軽微な損傷を反映し,ADの早期の神経細胞の変化を検出することが期待されており,本研究によりADの早期治療介入を可能にする発症前診断ならびに根治療法薬治療効果判定における有用性を明らかにできる. 拡散MRIによる軽度認知障害(MCI)の早期診断法の確立:現在までに3 Tesla MRIでDKIを撮像した解析可能なMCI 12例と健常者 10例で,baselineの拡散尖度イメージングの全脳パラメーターマップを算出し,全脳神経線維解析に加え,独自のテンプレートを用いた帯状束の亜区域(海馬傍回帯状束,後部帯状束,前部帯状束)の神経線維解析を行い,MCIと健常例で部位別統計学的検討を行った.いくつかのパラメーターでは部位により有意差が認められた.更に症例の蓄積が必要であるが,解剖学的部位とそのDKIパラメーターの算出によるMCIの早期診断法の確立が期待できる. 拡散MRIによるADに移行するMCIの病態進行評価法の確立:baselineの撮像が終了した患者・健常者は,6か月後,1年後,2年後のWMS-R,MMSE 並びにMRIの撮像を行い,MCIからADへの移行例と非移行例に分け検討する.現在のところ,MCIからADへの移行例は認められないが,今後2年間観察することで移行例の病態進行の解明が期待できる.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
軽度認知障害のエントリー数が,当初の予定よりも少なく,現在 MCI17例, 正常例15例のbeseline 登録または雑象が終了している.経済的理由や他疾患の発症による入院などの理由で,やむなく継続中断となる症例が予定より多く,症例数が不足している.
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今後の研究の推進方策 |
今後も症例のエントリーを進めるが,当初の予定症例数をMCIを40例から20例に減じ,解析を進める.
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次年度使用額が生じた理由 |
当初購入予定となっていた画像解析ソフトは生産中止となってあり,他の画像解析システムを採用したため,その差額が発生した.
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次年度使用額の使用計画 |
論文作成時の英文校閲料と学会発表のための旅費・参加費に振り替える予定である.
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