研究課題/領域番号 |
15K09360
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
頼高 朝子 順天堂大学, 医学部, 准教授 (90245720)
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研究分担者 |
深江 治郎 福岡大学, 医学部, 准教授 (10338395)
渡辺 宏久 名古屋大学, 脳とこころの研究センター, 特任教授 (10378177)
大塚 千久美 岩手医科大学, 医学部, 講師 (40364343)
三輪 英人 順天堂大学, 医学部, 先任准教授 (50231626)
志村 秀樹 順天堂大学, 医学部, 准教授 (50286746)
河尻 澄宏 順天堂大学, 医学部, 助教 (30445522)
下 泰司 順天堂大学, 医学部, 先任准教授 (70286714)
山田 大介 順天堂大学, 医学部, 助教 (30757539) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | パーキンソン病 / 水素水 / 多施設共同試験 / 無作為化2重盲検試験 / 酸化的ストレス |
研究実績の概要 |
水素分子はパーキンソン病疾患モデル動物のドパミン神経細胞の減少を抑制した。この事実を基にレボドパ内服中のパーキンソン病患者に対して少数ではあったが水素分子を飽和させた水素水を1年間飲水させた無作為化二重盲検試験でその症状を改善させた。 そこで本研究は初期及び進行例を含めたパーキンソン病患者に対象を拡大し、期間を72週に延長し、進行抑制効果、症状改善効果、安全性を評価する。無作為化二重盲検並行群間試験を多施設共同試験で実施することにより、学術的に高い客観性で明確な有効性の提示を目標とし、パーキンソン病患者の治療に役立てる。 全14施設でレボドパ未内服の患者を含めた178例の登録を終了し、登録患者は水素水群とプラセボ水群に盲検化して割り付けられた。毎週患者宅にどちらの試験水かわからないようにして送付され、登録患者は試験水を1日1l飲水した。決められた時期に臨床評価を行い、安全性の確認、副作用の有無を確認している。現時点で全施設の患者は72週間の飲水を終了し、一部の患者で飲水終了後の8週目の評価を残すのみである。開始時の臨床所見は国際学会で報告し、今年度に国際誌で報告した。次年度は全登録患者の全観察期間の評価が終了した後、盲検を開示し、統計処理を行い、効果、安全性を判定する。最終報告は国際学会、国際誌に報告する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2017年3月31日までに二重盲検試験の全登録患者の試験水の72週間の飲水は終了した。一部の患者で試験水飲水後8週間の観察期間を残すのみとなってる。14施設にて178例の患者を登録した。開始時の所見は平均年齢64.2才、ウエアリングオフという運動合併症を有している患者が58例、レボドパ内服中の患者154例、レボドパ内服量平均344mgであった。主要評価項目である臨床スケール(UPDRS)は23.7、副次的評価項目である患者自己評価スケール(PDQ-39)の総計は34.4であった。登録患者の開始時の臨床所見の報告は国際学会で報告したほか、国際誌で報告した。
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今後の研究の推進方策 |
試験水飲水終了後の8週目の全登録患者の評価をし観察期間を終了し、データを集約固定し、盲検を開示し、統計処理を行う。 主要評価項目は臨床評価スケールであるUPDRS総計の開始時から72週目の変化量をt-test又はMann-Whitney U testを用い水素水群とプラセボ水群間で分析する。副次的評価項目は72週目のUPDRSの各項目、及び8週、24週、48週、終了後8週目の総計と各項目の変化量、患者自己評価スケールのPDQ-39の総計及び、各項目の小計の変化量を2群間で比較する。重症化による脱落をKaplan-Meier曲線を用い log-rank検定を2群間で行う。効果判定、安全性評価の結果を国内及び国際学会、国際誌で公表する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究における分担者以外の協力者(大学施設以外)の消耗品使用が未返却であったこと、分担者においても今後使用可能性のある消耗品等の使用が未使用であったために次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
2017年度と合わせて消耗品は協力者施設に返却する。2017年度予算額は予定通り使用する。
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