研究課題/領域番号 |
15K09361
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
園生 雅弘 帝京大学, 医学部, 教授 (40231386)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 表面筋電図 / 針筋電図 / 定量解析 / 神経原性変化 / 筋原性変化 |
研究実績の概要 |
平成27年度においては、表面筋電図定量解析法、Clustering Index法(以下CI法)について、以下の研究を進展させた。 1)僧帽筋での検討:長年筋ジストロフィーとされていた1例において、僧帽筋の表面筋電図のCI法から神経原性との結論を得、遺伝子診断から脊髄性筋萎縮症と診断することができた。この例についてのレターが、Muscle and Nerveに投稿採択された。 2)前脛骨筋でのCIデータ追加収集と最適パラメータの探索:本年度も患者データ収集を行い、最終神経原性29名、筋原性39名のデータを得て、Window幅についてこれらのデータに基づいて最適な値を決定した。これについての論文執筆にとりかかっている。 3)針筋電図定量解析:データの追加解析を行い、上腕二頭筋については、健常者26名、神経原性10名、筋原性14名、前脛骨筋については、健常者23名、神経原性19名、筋原性13名のデータを得た。これらを元に、Size Index, Revised Size Indexの最適係数値を決定し、神経原性・筋原性それぞれの診断に最適なパラメータを決定できた。この結果は本年のアメリカ神経筋電気診断学会に報告予定であり、論文執筆も進めている。今後の針筋電図定量解析における有力なツールとなることが期待される。 4)CI法と針筋電図の比較:このためのデータの収集状況について整理し、保存筋電図信号の追加解析を行った。現在までに健常者5名、神経原性患者、筋原性患者各10数名のデータが得られていることが判明したので、健常者を中心にさらにデータの追加収集を行っている。 5)その他の関連研究:CI法の対象疾患として考えられる手根管症候群やGuillain-Barre症候群、比較対象の検査法となる神経伝導検査などについての研究も進めて、論文発表、学会発表などを行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
前脛骨筋CIデータの集積と解析、針筋電図データの集積と解析において、大きな進展を見た。僧帽筋についての論文が採択されことも成果である。また、種々の関連研究も進展している。
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今後の研究の推進方策 |
前脛骨筋CIデータの解析結果、針筋電図定量解析の結果のそれぞれについて、論文執筆し採択を目指す。また、これらの成果について国際学会で発表する。また、針筋電図とCI法の比較についてのデータ収集を進める。その他の電気生理検査やCI法の対象疾患となる神経筋疾患に関する関連研究についても、論文執筆、学会発表を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
年度内に使い切る予定で、研究を進めていましたが、最後端数として残金が生じました。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度の研究の資金に充当します。
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