| 研究課題/領域番号 |
15K09362
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| 研究機関 | 東京医科大学 |
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研究代表者 |
羽生 春夫 東京医科大学, 医学部, 教授 (10228520)
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| 研究分担者 |
石井 賢二 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究部長 (10231135)
清水 聰一郎 東京医科大学, 医学部, 講師 (10385031)
櫻井 博文 東京医科大学, 医学部, 教授 (60235223)
松岡 正明 東京医科大学, 医学部, 主任教授 (70222297)
金高 秀和 東京医科大学, 医学部, 講師 (90385021)
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| 研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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| キーワード | タウ / アミロイド / 糖尿病 / 認知症 / PET |
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| 研究実績の概要 |
我々が提唱した診断基準にそって診断された糖尿病性認知症(diabetes-related dementia, DrD)２２例およびコントロールとしての糖尿病を伴うアルツハイマー病（AD+DM）６例について、アミロイド、タウPETを施行し、背景病理の相違について解析した。AD+DM群は全例アミロイド、タウともに陽性所見を示したが、DrD群についてはアミロイド陽性は41％（２２例中９例）のみであったのに対して、タウ陽性は92％（１３例中１２例）と高率であった。アミロイド、タウPETを同時に施行したDrD群１３例は、アミロイド陰性/タウ陽性が69％（９例）と最も多く、次いでアミロイド陽性/タウ陽性が23％（３例）、アミロイド陰性/タウ陰性が８％（１例）となった。アミロイド陰性/タウ陽性を示した９例のうち、３例はタウ集積が側頭葉内側に限局したが（神経原線維変化型老年期認知症SD-NFTまたはprimary age-related tauopathy, PARTに一致）、残り６例は側頭葉内側から広範な大脳皮質領域までタウの集積が認められた。
以上から、DrDがアミロイド病理よりもタウ病理と関連し、明らかにADとは異なること、一部の症例ではSD-NFTまたはPARTに一致する病型もみられたが、より広範囲にタウの集積が認められ、いわゆるタウオパチーと考えられる症例が多くみられた。また、明らかなアミロイドやタウの集積を示さない症例もみられ、これらは糖毒性と関連した非特異的な神経細胞障害が推測された。
結論として、DrDの背景病理はタウオパチー＋DMと関連した非特異的神経細胞障害が示唆された。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
概ね３０例近い対象患者について、アミロイド、タウPETを施行でき、それぞれの集積パターンから背景病理を推測することができた。
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| 今後の研究の推進方策 |
これまでのアミロイド、タウPET所見については定性評価が主となっていたが、健常者のコントロールと比較し、統計学的に定量評価を行い、集積パターンの詳細を明らかにしていく。またMRIを用いた形態学的変化（萎縮）との関連を明らかにする。
アミロイド、タウPET所見と脳脊髄液所見（リン酸化タウやアミロイドβ40.42）との関連についても検討し、DrDの診断的バイオマーカーを検索していく。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
予定していた脳画像検査が順調に施行され、比較的十分なデータが集積できた。そのため、脳画像検査に必要とする研究費が当初の予定額より少なくできたため。
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| 次年度使用額の使用計画 |
次年度では、さらなる脳画像検査の追加や画像解析のための諸費用（解析ソフトなどを含む）、さらに脳脊髄液検査測定のために研究費、成果を発表するための学会出席の交通費などを予定している。
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