最終年度は対象として、高齢健常人7例、パーキンソン病3例、パーキンソン症候群9例(多系統萎縮症3例、進行性核上性麻痺4例、大脳皮質基底核変性症2例)を追加した。4年間トータルとして高齢健常人22例、パーキンソン病17例、パーキンソン症候群14例(多系統萎縮症6例、進行性核上性麻痺6例、大脳皮質基底核変性症2例)を対象として課題なしfMRI(安静時機能的MRI)を撮像した。解析はFSLを用いて位置ずれ補正、スムージング後に、各個人毎にICA解析を行った。次にFIXを用いて動き・生理学的ノイズを除去した。ついで脳の形を標準脳に合わせて変形した。次にMelodicを用いてグループICA解析を追加し、場所成分と時間成分に区分した。場所成分を用いてdual regressionを行い、Within network connectivity解析を行った。最後にFSLNet解析を行い、安静時ネットワーク同士のconnectivityを解析した(Between network connectivity解析)。安静時ネットワーク内のconnectivity (Within network connectivity)解析の結果、パーキンソン症候群はパーキンソン病と比較して、前部帯状回ネットワークにおいてconnectivity増加を認めた。安静時ネットワーク間のconnectivity (Between network connectivity)解析の結果、パーキンソン病では健常者と比較して、デフォルトモードネットワークと前頭眼窩ネットワークとのconnectivity低下を認めた。パーキンソン症候群はパーキンソン病と比較して、前部帯状回ネットワークと補足運動野・運動前野ネットワークとのconnectivity増加を認めた。
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