糖尿病性末梢神経障害の病態機序は病型によって異なるとされるが、未だ不明な点が多い。今回複数の電気生理学的手法を用いて大径・小径線維における器質的・機能的変化について多角的に検討した。対象は1型糖尿病患者22例、2型糖尿病患者32例、正常対照20例で、表皮内電気刺激法を用いた誘発電位検査、神経伝導検査および軸索機能検査を行った。2型群では1型群に比べ疼痛症状の頻度が高く、また潜時延長等の小径線維障害は2型群で特に強い変化を認めた。軸索機能検査では1型群で脱分極性変化を認め、これは罹病期間と相関した。病型により小径線維・軸索機能に違いが見られ、臨床症状・病態に関連している可能性がある。
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