研究課題/領域番号 |
15K09369
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研究機関 | 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター |
研究代表者 |
今林 悦子 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 脳病態統合イメージングセンター, 室長 (30406491)
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研究分担者 |
宿里 充穗 昭和薬科大学, 薬学部, 助教 (20525571)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | PET / ミエリン代謝 / 神経炎症 |
研究実績の概要 |
本年度は主に変性疾患における[11C]PiBの画像にて、ミエリン代謝と大脳白質の集積に関する評価を始めた。[11C]PiBは本来、アルツハイマー病脳の大脳皮質におけるアミロイド沈着を評価するために利用されるPET検査薬である。[11C]PiBによるアミロイドPET検査において、[11C]PiBの白質への集積は、ミエリン鞘に多く含まれる脂質への[11C]PiBの親和性による生理的な集積と考えられてきた。しかし、脱髄疾患である多発性硬化症における白質病変部での集積低下が報告されており、ミエリン代謝も反映するものという動物実験での報告もある。変性疾患においてはアミロイド集積は陰性と判定される[11C]PiB PET画像でも、白質集積に個人差が大きく、部分的集積も含め、ミエリン代謝や神経炎症に伴う変化などを反映している可能性があると考えられる。少なくとも生理的な脂溶性による集積のみでは説明が難しい。ただし、何らかの代謝や血流によるトレーサーの洗い流しの影響も考えられるので、評価方法が難しくなる可能性もある。まずはアミロイド集積としては陰性の健常者および変性疾患における[11C]PiB PET画像の白質集積をさらに系統的に解析し、評価方法を確立し、検討を進める。評価方法を確立することができれば、その方法を用いて変性疾患の評価についての再検討を実施し、その後は脱髄疾患での検討を考慮する。 動物実験の方では[3H]PiBとミエリン代謝の関係、また[11C]DACによる神経炎症との関係についての実験を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
撮像済みデータの検討は開始しており、[11C]PiBの集積と変性疾患に何らかのかかわりがありそうな印象は得ているが、[11C]PiBのミエリン代謝に関する検討は未だ開始できていない。
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今後の研究の推進方策 |
変性疾患における[11C]PiB PET画像について、具体的に各疾患毎に解析を行い、その集積分布、集積量に関して、これまでに得られている病理知見と照らし合わせ考察を行う。ミエリン代謝あるいは神経炎症と[11C]PiB集積の関連もできる限り明確にし、動物実験の結果とも併せて、当初目的としていた脱髄性疾患の診断、治療効果判定への寄与ができるかどうかも判定していきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究計画が遅延しており、検査の実施、具体的な画像解析の開始がこれからとなるため。
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次年度使用額の使用計画 |
解析用コンピューター、解析担当者への謝金、PET検査実施のための費用
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