今回の研究により、大血管障害を有する2型糖尿病(vT2DM)と老年(75歳以上)でT2DMを発症した症例で膵島のアミロイドの沈着が著明に亢進することが解明された。これらアミロイド沈着はBMIと相関しておらず、肥満によるアミロイド沈着とは別の機序である可能性がある。また、vT2DM症例では膵島の血管構築の変化(膵島内血管の適応不全、膵島周囲の血管の増生、血管壁の肥厚)がみられ、これらのことが膵島アミロイド沈着を促進している可能性がある。また、老年発症T2DM症例では、膵管内腫瘍を高率に伴っており、膵島アミロイド沈着とあいまって、膵臓の広範な萎縮を来たす可能性が解明された。
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