糖尿病性血管合併症、特に腎症の早期発症と新たな治療戦略の探索のため、2型糖尿病患者の新たなバイオマーカーとして尿中NAD代謝産物に着目し、その尿中排泄量と、NAD代謝に関連する遺伝子の一塩基多型の頻度と腎症との関連を検証することを目的に研究を行った。HPLC-MS/MS法にて測定した尿中NAD代謝産物のうち、尿中NAD+排泄量と尿中NMN排泄量が腎機能と強い正相関関係を示した。また、NAD代謝に関連するNNMT遺伝子の一塩基多型・ハプロタイプが腎症を合併する症例で非合併例に比べ高頻度に認められ腎症との関連が示唆された。
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