細胞内蛋白へのO-GlcNAc修飾における転移酵素O-GlcNAc transferase(OGT)の役割を明らかにするために、タモキシフェン(TM)誘導性の膵島特異的OGT遺伝子ノックアウトマウスを作成した。これらのマウスは一過性に低血糖や高インスリン血症、脂肪量の増加を呈していたが、その後高血糖やインスリン分泌能の低下へと変化しており、膵β細胞におけるアポトーシスが認められた。また、TM誘導性の全身OGTノックアウトマウスはTM投与4週後までに8割のマウスが致死性表現系を示した。これらのことから、O-GlcNAc修飾は膵β細胞機能や生存に対して重要な役割を持つものと考えられた。
|