研究成果の概要 |
ポリリボゾーム解析を採用し、習慣的な高脂肪摂取により膵β細胞が機能不全をきたす機序について、翻訳機能の観点から検討した。通常食と比較し高脂肪食飼育マウス膵島では、全般的翻訳抑制が確認された。β細胞機能に重要であるinsulin, pdx1, Slc2a2, GcKのmRNAはmonosome側にシフトしており、翻訳抑制を認めた。このとき酸化ストレスマーカーは増加し、さらにp53経路活性化をきたしていた。そのことに関連し、翻訳開始因子eIF4Eとリボゾーム合成関連遺伝子の発現が減少していた。酸化ストレス、DNA損傷によるp53経路活性化がβ細胞における全般的翻訳抑制に寄与することが推察された。
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