研究実績の概要 |
研究1: MET ( 0.6V/cmV, 0.1ms, 55 pps, 42℃, 10min) による抗炎症効果の検討。HepG2, L6, 3T3-L1およびMIN6、J774.1細胞に対してMETを施行し、高グルコース処理、ERストレスを誘導するthapsigargin やtunicamycin で刺激した。JNK, ASK-1, p-PERK, XBP-1 splicingは全て活性化が認められたが、METによりその活性化は減弱した。AMPK活性化低下をMETは部分的に回復し, NF-κB活性化をMETは抑制した。TNF-α, CRP, IL-6, MCP-1の発現増強をMETは低下させた。TRP遺伝子群発現に関しては検討中である。またこれらの細胞群にHSP72 siRNAを投与してHSP72作用を消失させた上で、METを作用させ、反応性の違いを検討して微弱電流そのものの効果を検討している。 研究2:糖尿病動物におけるMETの代謝・体組成改善効果。肥満糖尿病モデルマウス(HFD、db/dbマウス)に対し、12週間METを施行する群と施行しない群を設定し、体重・血糖値・インスリン値および血中サイトカインを測定した。sham処置群では体重増加、高血糖、インスリン抵抗性、高サイトカイン血症が認められたMETにより改善した。12週間終了後に、解剖し各臓器(肝臓・筋肉・脂肪・膵島・単球)を単離し、細胞実験と同様の分子の変化を検討している。 研究3:ヒト2型糖尿病患者を対象にMET治療を行う前後で末梢血単球を単離し、炎症惹起性形質の変化を検討する。肥満2型糖尿病患者(HbA1c 7.0%~9.4%、BMI=25以上)20名を対象に、週4回MET治療を行う前後で空腹時末梢血採血を行い、磁気ビーズ法にてCD14陽性単球を単離した。遺伝子発現や炎症性分子の細胞内局在などを検討中である。
|