研究課題
糖尿病は、複数の遺伝子により構成される遺伝因子と、環境因子の複雑な相互作用により発症する多因子疾患である。その多くは、弱い疾患感受性遺伝子の集積により生じるため、ヒトを用いた解析では感受性遺伝子同定は難しく、さらにその遺伝子間相互作用の解析になると不可能に近い。さらに、ヒトでは環境因子を一定にすることができないことも、遺伝子間相互作用、遺伝子-環境間相互作用の解明に結びつかない原因である。そこで本研究においては、糖尿病発症機序解明に資することを目的とし、糖尿病に関連する遺伝子を同定するため、コンジェニックマウス作製に取り組んだ。コンジェニックマウスの樹立には多大な時間を要するが、我々はスピードコンジェニック法を駆使し、新たなコンジェニックマウス系統の作製を行った。糖尿病を発症するマウス(NSY)の糖尿病感受性遺伝子を有する染色体全体を、非糖尿病マウス(C3H)へ導入した系統:コンソミックマウスの作製により、糖尿病疾患感受性領域を特定の染色体に絞り込んできた。しかし、その領域は、一染色体全体に及ぶことから、より限局した領域として同定するために、NSYの糖尿病感受性領域を、C3Hへ導入した更なるコンジェニックモデルの樹立を行った。本研究では、11番コンジェニック、14番コンジェニック、6番コンソミック、1番コンジェニック系統に対し、表現型の解析をすすめた。11番染色体のコンジェニック系統のデータを第30回日本糖尿病・肥満動物学会年次学術集会で発表するとともに、これまで我々が行ってきたデータ、および新たなデータを、同学会年次学術集会のシンポジウムにて報告した。
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BMC Endocr Disord
巻: 17 ページ: -
10.1186/s12902-017-0225-z
http://www.med.kindai.ac.jp/emdm/research-content.html