生体内には、脳を中心とした臓器間神経ネットワークが存在し、代謝の恒常性維持機構としての役割を担うとされる。しかし、過栄養の下では、こうした調節機構の破綻により、メタボリックシンドロームの病態の増悪に繋がることも解明されてきた。 本研究では、三大栄養素であるアミノ酸とその下流のmTOR経路に着目し、組換えアデノウイルスを用いて肝臓でのアミノ酸代謝とmTOR経路を活性化させたマウスを作製した。この検討から、アミノ酸と脂質代謝を繋ぐ新しい調節機構の存在が発見され、その制御には臓器間神経ネットワークが介在していることが解明された。今後は、この新たな栄養素の制御機構を応用すべく、更なる検討が必要である。
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