研究課題
昨年度までにカルパインファミリーの非プロテアーゼ型アイソフォームであるカルパイン-6がエクソン接合部複合体構成分子CWC22と分子間相互作用し、結果としてマクロファージ飲作用を介したnative LDL取込みを促進し、動脈硬化症を増悪化させることを明らかとし、Journal of Clinical Investigation誌に報告した。本年度はCWC22欠損マウスの解析を続行している。同マウスは胎生致死であったため、いずれの時期に致死に至るのか胎児を摘出して検討した。E9.5の時点で欠損マウスは得られておらず、CWC22は極めて早期の段階で個体発生に関与しているものと考えられる。CWC22ヘテロ欠損マウスに高脂肪食を負荷したところ、野生型マウスと比べて体重の増加、脂肪量の増加が認められ、インスリン抵抗性の低下が認められたことから、ヘテロ欠損マウスにおいても生体機能に著しい影響を及ぼすと考えられた。CWC22ヘテロ欠損マウスにおいて動脈硬化症の表現型を検討する目的で、同マウスとLDL受容体欠損マウスの2重欠損マウスを作出し、現在高脂肪食の負荷を行なっている。同時に次世代シーケンスを用いて、カルパイン-6欠損によるスプライスバリアントの発現変動について検討を行い、同分子の下流に複数種の脂質代謝関連分子のスプライスバリアントの存在を検出した。また、骨髄系細胞に特異的なスプライシング 制御因子自身のバリアントも複数種検出された。パスウェイ解析の結果、脂質代謝経路の変化が検出された。
3: やや遅れている
CWC22欠損マウスが胎生致死であり、実験計画を変更した。
今後はCWC22ヘテロ欠損マウスとLDL受容体ノックアウトマウスの2重欠損マウスを作出し、動脈硬化症の表現型を検討する予定で、既にマウスを作出し高脂肪食を負荷している。
CWC22欠損マウスが胎生致死であったことから、実験計画の変更があった。肥満症モデルにおける検討で、CWC22ヘテロ欠損マウスにおいても著しい表現型が認められたため、CWC22ヘテロ欠損マウスとLDL受容体欠損マウスの2重欠損マウスにおいて動脈硬化症を検討することを予定している。二重欠損マウスの作出を行なっているが、予想以上に産仔数が少なく、十分な個体数が得られなかったため、次年度も検討を継続したい。なお、現在は十分な個体数が得られており、既に高脂肪食の負荷も開始している。次年度の使用計画としては、全額を表現型解析にかかる消耗品(試薬、抗体、実験器材等)に充てる予定である。
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すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件) 備考 (3件)
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