研究課題/領域番号 |
15K09420
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
箱田 明子 東北大学, 医学系研究科, 大学院非常勤講師 (70509398)
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研究分担者 |
菅原 明 東北大学, 医学系研究科, 教授 (90270834)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | アルドステロン / 高血圧 / レチノイド / RXR / CYP11B2 |
研究実績の概要 |
PA024はAⅡ誘導性のCYP11B2 mRNA発現、プロモーター活性およびアルドステロン分泌を有意に抑制した。CYP11B2プロモーターにおけるAⅡ誘導性遺伝子発現にはNBRE-1、Ad5、Ad1/CREの3つの重要なcis-elementsが存在し各々の転写調節因子が結合する。CYP11B2 5’-flanking region deletion mutantsを用いた解析ではNBRE-1、Ad5配列を含む-1521(全長)から-106の領域にかけてPA024による転写抑制が認められ、point mutantsを用いた解析ではAd5配列の変異によりPA024によるCYP11B2プロモーター活性抑制効果が消失した。またPA024投与によりAd5配列結合転写因子であるNGFIBおよびNURR1のmRNA発現低下も認められ、NURR1過剰発現によりPA024によるCYP11B2プロモーター活性抑制効果が解除されたことから、Ad5配列に結合するNURR1の減少がCYP11B2転写活性の抑制に関与している可能性が考えられた。一方でPA024は細胞増殖能、アポトーシスおよび細胞内Ca2+濃度には影響を及ぼさなかった。PA024はAⅡの作用を介して、アルドステロン合成経路に関わるStAR、HSD3β2、CYP21A2のmRNA発現も抑制した。siRNAによる内因性RXRαのノックダウンはPA024によるCYP11B2、NURR1 mRNA発現抑制効果を回復し、RXRα過剰発現はPA024によるCYP11B2 mRNA発現およびプロモーター活性抑制効果を増強したことからPA024によるCYP11B2転写への負の調節がRXRαを介在して行われていることが示唆された。さらに、pioglitazoneとPA024の組み合わせによりCYP11B2 mRNA発現に対する相乗的な抑制効果を認めた。In vivoにおいてPA024はつくば高血圧マウスの収縮期および拡張期血圧を有意に抑制した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
現時点で、つくば高血圧マウスの実験を開始していることから、当初の予定より進展しており、順調に推移している。
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今後の研究の推進方策 |
・つくば高血圧マウスにおけるPA024の血圧降下作用メカニズムの解明。 ・PA024の転写因子‐DNA相互作用に及ぼす影響の検討。
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