研究課題
RXRアゴニストであるPA024は、アンジオテンシン(A)Ⅱ誘導性のアルドステロン合成酵素(CYP11B2)mRNA発現、プロモーター活性、ならびにアルドステロン分泌を有意に抑制した。CYP11B2プロモーターにおけるAⅡ誘導性遺伝子発現にはNBRE-1、Ad5、Ad1/CREの3つのcis-elementsが存在することが知られているが、CYP11B2プロモーターのdeletion mutantsを用いた解析では、NBRE-1、Ad5配列を含む-1521から-106の領域にかけてPA024による転写抑制が認められ、point mutantsを用いた解析ではAd5配列の変異によりPA024によるCYP11B2プロモーター転写抑制効果が消失した。また、PA024投与によりAd5配列結合転写因子であるNGFIBおよびNURR1のmRNA発現低下が認められた一方で、NURR1過剰発現によりPA024によるCYP11B2プロモーター転写抑制効果が解除されたことから、Ad5配列に結合するNURR1の減少がCYP11B2転写活性の抑制に関与している可能性が考えられた。一方、PA024は細胞増殖能、アポトーシスおよび細胞内Ca2+濃度には影響を及ぼさなかった。PA024はアルドステロン合成経路に関わるStAR、HSD3β2、CYP21A2のmRNA発現も抑制した。siRNAによる内因性RXRαのノックダウンはPA024によるCYP11B2、NURR1 mRNA発現抑制効果を回復し、RXRα過剰発現はPA024によるCYP11B2 mRNA発現およびプロモーター転写抑制効果を増強したことから、PA024によるCYP11B2転写への負の調節がRXRαを介在して行われていることが示唆された。さらに、in vivoにおいてPA024はつくば高血圧マウスの収縮期および拡張期血圧を有意に抑制した。
すべて 2018 2017
すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 4件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)
Nephrol Dial Transplant.
巻: 33(1) ページ: 26-33
10.1093/ndt/gfx218.
PLoS One.
巻: 12(8) ページ: e0181055
10.1371/journal.pone.0181055.
FEBS Open Bio.
巻: 7(9) ページ: 1410-1421
10.1002/2211-5463.12277.
巻: 12(4) ページ: e0175435
10.1371/journal.pone.0175435.