尿細管上皮細胞内でのROSの蓄積は、炎症性サイトカインの発現を増加し、尿細管間質での線維芽細胞の活性化や腎線維化の原因となる。野生型(WT)マウスとTRβ欠損マウスで片側尿管結紮(UUO)モデルを作成し、遺伝子発現レベルの網羅的解析をDNAマイクロアレイによって検討した。リポカリン2、コラーゲン12、ファイブロネクチンは、非UUOモデルではWTマウスとTRβ欠損マウス腎臓で有意差は見られなかったが、UUOモデルでは発現増加がTRβ欠損マウス腎臓で見られ,尿細管間質の線維化が増加していた。本結果から、内因性TRβは腎尿細管間質において、抗炎症作用や抗線維化作用を有している可能性が示唆された。
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