研究課題/領域番号 |
15K09441
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
福井 道明 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30247829)
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研究分担者 |
山崎 真裕 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (50309134)
田中 武兵 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70713717)
濱口 真英 京都府立医科大学, 医学部附属病院, 専攻医 (80350883) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | アンドロゲン / サルコペニア |
研究実績の概要 |
サルコペニア(筋萎縮)は、糖・脂質代謝異常や日常生活動作(ADL)の低下を来たし、生命予後も規定する重要な病態である。血清アンドロゲン濃度と筋肉量および筋力は相関を認めることが知られているが、詳細な分子機序は明らかでない。 我々は、9週齢のC57BL6/J雄マウスを去勢し、1週間後に安楽死させ、骨格筋を採取した。非去勢マウスを対象群とし、real time PCRにて各種遺伝子の発現を評価したところ、去勢マウスの足底筋(速筋)においてmyostatinの発現上昇が観察された。myostatinは骨格筋から分泌されるTGFβファミリーの一員で筋肥大を抑制する作用を持つため、対象群と比較し筋断面積が縮小することが予想されたが、去勢後1週間の時点では変化は見られなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成27年度研究計画は、1.去勢マウスにおける筋萎縮・脂肪化の至適条件検討とモデルの生物学的評価、および、2.睾丸摘出により筋萎縮・脂肪化したヒラメ筋でのTranscriptome解析を行うことであった。 このうち、1に関しては、去勢1週間の時点では一部の遺伝子変化は検出されるものの、骨格筋萎縮が生じるまでには長期間の経過観察を要すると考えられた。2に関しては、精巣摘出を実施したマウス骨格筋の網羅的遺伝子解析を行った既報(Haren MT, et al. Int J Androl. 2010)の生データを入手し、我々の研究室内にて解析することが出来たため、予算をmiRNAの網羅的解析に充てることとした。
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今後の研究の推進方策 |
上記成果を踏襲し、本年度は、1. 去勢後の観察期間を延長し、遺伝子発現の変化及び骨格筋断面積の変化の推移を観察する、2. 採取した骨格筋よりmiRNAを抽出し、去勢マウス特異的なmiRNAを検索する、3. テストステロン補充による骨格筋保護効果を検討する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究計画どおり実験をすすめておりますが、物品費が予算を下回ったため。またその一部を学会旅費に充当しています。
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次年度使用額の使用計画 |
平成27年度の残額26,680円を平成28年度の物品費として使用させていただきます。
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