本研究では、終末糖化産物受容体(RAGE)が生理的役割としてHPA axisに関与するという仮説を提唱し、RAGEを介したコルチコステロン(CS)産生・分泌に関し、その機序を含めて解析した。 野生型マウス(WT)では副腎皮質にRAGE発現を認めた。WTと比較して、RAGE欠失マウスでは、副腎重量は有意に大きく、副腎皮質細胞腫大が認められ、蓄尿中CS量、およびLipopolysaccharide (LPS)負荷後の血清CS濃度は有意に低値であった。副腎皮質Y-1 cellを用いた実験系では、LPSによるCS産生・分泌増加にRAGEが関連し、このシグナル伝達系としてERKシグナルの関与が考えられた。
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