研究実績の概要 |
Rho GTPaseの新規エフェクター探索のため、我々はアフィニティクロマトグラフィーとそれに続くマススペクトロメトリー(LC/MS-MS)実験系を確立した。血小 板細胞質分画をアフィニティーカラム精製することで我々は活性型RhoAに特異的に結合する複数の蛋白を同定した。既知のRhoAエフェクター (mDia, PKN1, Rho kinase, IQGAP2, Daam1, Daam2)に加えて、アラキドン酸リポキシゲナーゼ-12(ALOX12)が活性型RhoA(RhoA-L63)に結合することが見いだされた。RhoAとALOX12を COS-1細胞内で発現したところ両者の直接の結合は認められなかった。一方でRhoAエフェクターDaam1とALOX12の結合がCOS-1細胞での発現実験で証明された。こ のことからALOX12はDaam1を介して活性型RhoAに結合することが判明した。さらにALOX12のLH2ドメインがDaam1のN末に結合することが明らかになった。Daam1と ALOX12の細胞内共局在を明らかにするとともに、RhoA下流阻害剤( Y-27632) を内因性のALOX12が発現した細胞に添加し、脂質メディエーター(ロイコトリエン、 リポキシン、HETEなど)の産生が抑制されるかどうかをELISAで検討した。
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