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2016 年度 実施状況報告書

Prdm16を介したミトコンドリア代謝経路の造血幹細胞制御における役割の解明

研究課題

研究課題/領域番号 15K09455
研究機関九州大学

研究代表者

亀崎 健次郎  九州大学, 大学病院, 助教 (70380433)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード白血病幹細胞
研究実績の概要

本年度の研究にて、造血幹細胞のエネルギー代謝において、ミトコンドリアの分裂阻害が、形態のみならず、機能的にも造血幹細胞機能の維持や、prdm16欠損造血幹細胞の低下した造血幹細胞能の回復に寄与することを、in vitroのみならず、in vivoでも示した。同様の所見を、ミトコンドリア融合因子を欠損したマウスを用いて、in vitroおよび、in vivoで検証を行っている。また、ミトコンドリア分裂因子の阻害による影響を機能欠損マウスを用いて検証を行っている。今後の研究により、ミトコンドリア融合因子の機能阻害による造血幹細胞能への影響を、in vivoで明らかにしていく。
また、ヒト急性骨髄性白血病サンプルを用いて、前年度よりもさらに純化した細胞分画で、AML幹細胞が正常骨髄細胞より好気的代謝を用いていることを明らかにした。また、細胞の生存に対して、不利に働くROSに対応するために、還元型グルタチオンを大量に産生していることを明らかにした。本年度までよりもさらにサンプル数を増やし、また、より純化した細胞分画で解析することにより、AML細胞が、正常造血幹細胞と比べて、より好気的代謝を用いていることを明らかにしたい。本年度の研究によって明らかになった結果は、白血病幹細胞が正常造血幹細胞とは異なるエネルギー代謝プロファイルを有している可能性を示すものであり、白血病幹細胞を根絶する新規標的治療への応用が期待される。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

造血細胞に発現するMx1やVavプロモーター制御下に、ミトコンドリア融合因子であるMfn1/2やOpa1の機能を欠損するマウス骨髄細胞を用いて、in vitroでの造血幹細胞再構築能を検証した。
前年度に検証したヒト白血病幹細胞での検証を、さらにサンプル数を増やし、かつ、より純化した細胞分画を用いて検証した。
上記のように、in vivoでの検証も進んでおり、おおむね順調に進展しているといえる。

今後の研究の推進方策

本年度に樹立した造血細胞に発現するMx1やVavプロモーター制御下に、ミトコンドリア融合因子であるMfn1/2やOpa1の機能を欠損するマウス骨髄細胞を用いて、以下の研究計画を実行する。
造血幹細胞分画や分化した血球分画の解析を行い、ミトコンドリア融合の阻害による造血幹細胞機能への影響を検証する。また、競合的骨髄移植、連続的骨髄移植を行い、造血再構築能を評価する。造血幹細胞機能の低下や、造血再構築能の低下が見られた場合は、同遺伝子や下流の代謝経路の遺伝子の強制発現により、幹細胞能が回復するかを検証する。
CD34+CD38-白血病幹細胞よりさらに純化した白血病幹細胞分画をTim3などの特異抗原で濃縮し、この分画でのメタボローム解析、グルタチオン代謝経路の解析を進めていき、白血病幹細胞特異的な代謝経路を検証する。見出した代謝経路、物質に関しては、阻害剤、shRNAによる阻害実験により、特異的標的としての可能性を検証し、新規標的治療への基盤とする。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2017 2016

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件)

  • [雑誌論文] Cardiac metastasis of squamous cell carcinoma of the thyroid gland with severe disseminated intravascular coagulation: A case report.2017

    • 著者名/発表者名
      Yoshihiro T, Tsuchihashi K, Kusaba H, Nakashima T, Obara T, Nio K, Takayoshi K, Kodama H, Tsuruta N, Kiyohara H, Asai K, Harada E, Kamezaki K, Arita T, Sato M, Yamamoto H, Arita S, Ariyama H, Odashiro K, Oda Y, Akashi K, Baba E.
    • 雑誌名

      Mol Clin Oncol.

      巻: 6 ページ: 91-95

    • DOI

      10.3892/mco.2016.1091

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Mogamulizumab Treatment Prior to Allogeneic Hematopoietic Stem Cell Transplantation Induces Severe Acute Graft-versus-Host Disease.2016

    • 著者名/発表者名
      Sugio T, Kato K, Aoki T, Ohta T, Saito N, Yoshida S, Kawano I, Henzan H, Kadowaki M, Takase K, Muta T, Miyawaki K, Yamauchi T, Shima T, Takashima S, Mori Y, Yoshimoto G, Kamezaki K, Takenaka K, Iwasaki H, Ogawa R, Ohno Y, Eto T, Kamimura T, Miyamoto T, Akashi K.
    • 雑誌名

      Biol Blood Marrow Transplant.

      巻: 22 ページ: 1608-14

    • DOI

      10.1016/j.bbmt.2016.05.017

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Ascites Retention during Mogamulizumab Treatment in a Patient with Adult T-cell Leukemia/lymphoma.2016

    • 著者名/発表者名
      Shima T, Kamezaki K, Higashioka K, Takashima S, Yoshimoto G, Kato K, Muta T, Takenaka K, Iwasaki H, Miyamoto T, Akashi K.
    • 雑誌名

      Intern Med.

      巻: 55 ページ: 1793-6

    • DOI

      10.2169/internalmedicine.55.5987

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Mobilization of human immature hematopoietic progenitors through combinatory use of bortezomib and immunomodulatory drugs.2016

    • 著者名/発表者名
      Tochigi T, Aoki T, Kikushige Y, Kamimura T, Ito Y, Shima T, Yamauchi T, Mori Y, Yoshimoto G, Kamezaki K, Kato K, Takenaka K, Iwasaki H, Akashi K, Miyamoto T.
    • 雑誌名

      Int J Hematol.

      巻: 105 ページ: 423-432

    • DOI

      10.1007/s12185-016-2148-2

    • 査読あり

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公開日: 2018-01-16  

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