研究課題
本年度の研究にて、造血幹細胞のエネルギー代謝において、ミトコンドリアの分裂阻害が、形態のみならず、機能的にも造血幹細胞 機能の維持や、prdm16欠損造血幹細胞の低下した造血幹細胞能の回復に寄与することを、in vitroのみならず、in vivoでも示した。 同様の所見を、ミトコンドリア融合因子を欠損したマウスを用いて、in vitroおよび、in vivoで検証を行っている。また、ミトコンドリア分裂因子の阻害による影響を機能欠損マウスを用いて検証を行っている。今後の研究により、ミトコンドリア融合因子の機能阻害による造血幹細胞能への影響を、in vivoで明らかにしていく。 また、ヒト急性骨髄性白血病サンプルを用いて、AML幹細胞が正常骨髄細胞より好気的代謝を用いていることを明らかにしてきたが、より純化した分画、また多くのサンプル数で検証を行っている。また、細胞の生存に対して、不利に働くROSに対応するために、還元型グルタチオンを大量に産生していることを明らかにした。本年度までよりもさらにサンプル数を増やし、また、より純化した細胞分画で解析することにより、 AML細胞が正常造血幹細胞と比べて、より好気的代謝を用いていることを明らかにしたい。本年度の研究によって明らかになった結果は、白血病幹細胞が正常造血幹細胞とは異なるエネルギープロファイルを有している可能性を示すものであり、白血病幹細胞を 根絶する新規標的治療への応用が期待される。
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