研究課題/領域番号 |
15K09457
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
原田 佳代 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (00722521)
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研究分担者 |
小川 一英 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (40423800)
池田 和彦 福島県立医科大学, 医学部, 准教授 (90381392)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | HMGA2 / 骨髄増殖性腫瘍 |
研究実績の概要 |
骨髄増殖性腫瘍(MPN)は、造血幹細胞の異常により赤血球や白血球、血小板などが腫瘍性に増加するもので、真性多血症(PV)、本態性血小板血症(ET)、特発性骨髄線維症(PMF)などが挙げられる。JAK2V617F変異が高率で認められるが、我々の研究では腫瘍遺伝子のひとつであるHMGA2がMPN患者で発言しており、なかでもPMF患者でほぼ100%発現していることが明らかとなった。PMFでは脾腫や白血病への移行が問題となり、予後も不良になる場合が多い。また、ETからの二次性の骨髄線維化との鑑別も難しく、簡便な診断や治療法の開発が望まれていた。HMGA2を高発現するマウスとJAK2V617Fマウスを交配するとそれぞれ単独のマウスより重症貧血などを発症するなど骨髄増殖性疾患の増悪に関与していることが示唆された。学会発表をおこない、現在論文投稿中である。こうしたことからもHMGA2はPMFの治療標的の一つになりうることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
患者におけるHMGA2の発現だけではなく、マウスによってHMGA2がJAK2変異マウスとの交配によりさらにMPNを増悪させることが示されたため。また、これらの結果を学会等で発表するとともに論文として投稿できたため。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き症例を蓄積するとともに、マウスによるHMGA2阻害薬の効果について検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
試薬の適正使用に努めた結果、購買数を当初予定より少なく抑えることができたため。
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次年度使用額の使用計画 |
新規HMGA2阻害薬の検索、導入等に使用する予定である。
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