研究課題/領域番号 |
15K09458
|
研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
古和田 周吾 岩手医科大学, 医学部, 講師 (30418884)
|
研究分担者 |
石田 陽治 岩手医科大学, 医学部, 教授 (70151389)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | 血小板産生 / 血小板減少症 / 特発性血小板減少性紫斑病 |
研究実績の概要 |
A.血小板前駆体を分離し、その細胞生物学的特徴とRNAについて検討した。①マウス全血より分離した血小板前駆体をin vitroで培養し、高分解能のtime lapse imagingで観すると、ほとんどがproplatelet形態へと変化した。②さらにtaticな状況で培養した場合は、proplatelet形態から個々の血小板へ分離する割合は極めて少数であったが、生体内へ戻すことにより増加することが明らかとなった。③この研究過程で、血小板の細胞内でこれまで関与が知られていない細胞現象が生じていることが示唆された(以下細胞内現象Xとする)。④細胞内現象Xについて詳細な解析を行った所、miRNAを含むRNA量を制御している可能性が示唆された。
B.個体中の血小板における細胞内現象XとmicroRNA、RNAの関係について検討した。①マウス個体中の血小板中で、細胞内現象X,RNAの関係について再現性よく測定する系を確立した。②(①を用いて)マウス個体中で血小板産生状況を変化させ、経時的な血小板中の細胞内現象X,RNAの関係を調べた。その結果血小板産生が亢進している場合、血小板中の細胞内現象X、およびRNA分解の亢進が示唆された。
これらから、次年度は計画の骨髄巨核球、miRNAの関係に加え、細胞内現象Xとの関連について精査する予定。 また、倫理委員会の許可を得られ次第、実際の患者検体でも測定を始める計画を準備中である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ある細胞内現象(研究実績の概要で示した細胞内現象X)が血小板産生過程に生じていることを新規に明らかにしつつあり、この現象がmiRNAおよびRNAの動態と結びつく可能性が強く示唆された。またヒト臨床検体でもこの現象を測定できる系を立ち上げつつある。これらは予想外の成果であり今後の当研究課題の発展が期待された。 一方で血小板前駆体の精度の高い分離に労力を要し、miRNA種の解析が十分に行き届いていない点がある。この点は、今年度に充分な時間をかけて予備実験を重ねており、次年度に計画どおり進められる下地が整っている。
|
今後の研究の推進方策 |
次年度は計画の骨髄巨核球、miRNAの関係に加え、新規の細胞内現象Xとの関連ついて精査する予定。 また、B①の検査方法を血小板減少症患者の臨床検体に応用可能な方法の為、倫理委員会の許可を得られ次第、実際の患者検体でも測定を始める計画を準備中である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
試薬の節約に努めた為、残金が発生した。
|
次年度使用額の使用計画 |
来年度の追加実験の為の試薬購入費とする予定。
|