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2017 年度 実績報告書

炎症性疾患におけるImmunothrombosisの制御異常と新たな治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 15K09459
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

平橋 淳一  慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (70296573)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード炎症 / ヒストン / 血栓 / 好中球 / 血小板 / Mac-1
研究実績の概要

血液凝固カスケードは、炎症および免疫反応と密接に関連している。ヒストンは損傷した宿主細胞あるいは白血球細胞から放出され、炎症に伴う血栓症のメディエーターとして作用する。血小板の活性化および凝集はヒストン誘発性血栓症の原因として知られているが、好中球依存性のメカニズムについて不明である。本研究では、ヒストンによる好中球・血小板相互作用の増強と血栓形成へのメカニズムを探求した。
好中球を免疫学的に除去したマウスおよび白血球インテグリンMac-1の欠損マウスでは、ヒストン誘発性肺血栓塞栓症においてマウスの生存を延長した。ヒストン誘発血栓症のメカニズムをさらに調べるために、血漿の存在下にヒト血小板と好中球との相互作用によって誘導される血漿凝固産物を定量化する濁度測定技術を利用した。ヒストンは、血漿存在下に両細胞の共培養による血漿凝塊生成を増大させた。また共培養系におけるフローサイトメトリー分析により、ヒストンは血小板/好中球複合体形成を増強し、これは抗CD40L、抗Mac-1抗体によって阻害された。また、抗CD40Lにより好中球のMac-1の活性化が抑制された。一方、好中球をヒストンにより刺激するとMac-1が活性化し、好中球上のToll様受容体(TLR)-2および4の発現を誘導した。 Mac-1活性化は、TLR-2および4の阻害剤によって抑制され、ヒストンが血小板TLRを介して直接的に好中球を活性化することができることを示唆している。これらのデータは、ヒストンは血小板だけではなく好中球にも直接作用し、CD40 / CD40Lを介して好中球・血小板相互作用が増強しMac-1依存性血栓塞栓症を誘発することを示しており、これは炎症誘発性血栓症の新たな治療標的となりうることを示唆した。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2018

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Macrophage extracellular trap formation promoted by platelet activation is a key mediator of rhabdomyolysis-induced acute kidney injury2018

    • 著者名/発表者名
      Okubo Koshu、Kurosawa Miho、Kamiya Mako、Urano Yasuteru、Suzuki Akari、Yamamoto Kazuhiko、Hase Koji、Homma Koichiro、Sasaki Junichi、Miyauchi Hiroaki、Hoshino Tatsuo、Hayashi Matsuhiko、Mayadas Tanya N、Hirahashi Junichi
    • 雑誌名

      Nature Medicine

      巻: 24 ページ: 232~238

    • DOI

      10.1038/nm.4462

    • 査読あり / 国際共著

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公開日: 2018-12-17  

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