活性化チロシンキナーゼ変異体に対する分子標的薬と抗癌剤等を組み合わせた根治的な造血器腫瘍の統合的治療法の開発を目指し研究を行った。まず、FLT3-ITDが急性骨髄性白血病細胞のPI3K/Akt阻害薬等への耐性化をもたすが、PIMキナーゼの併用により回避される事を見出した。また、p53がChk1の活性化を抑制し、BCR/ABLやJak2-V617F阻害薬とMdm2阻害薬の併用により抗癌剤耐性が回避される事を明らかにした。さらに、造血細胞の接着因子であるPECAM-1がSDF-1受容体のエンドサイトーシスを抑制し、PI3K/Akt/mTORC1シグナル等の亢進をもたらす事を明らかにした。
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