変異型Calreticulin (CALR)の骨髄増殖性腫瘍(MPN)発症における役割を解析した。変異型 CALRは293T細胞においてトロンボポエチン受容体(MPL)の存在下でSTAT5を活性化した。CALR変異導入巨核球系細胞株では、STAT5リン酸化を伴う細胞増殖亢進、サイトカイン非依存的増殖を認めた。CALR変異導入トランスジェニックマウスは、骨髄での成熟巨核球増加とともに血小板の増加を示したが、ヘモグロビン上昇や白血球増加は認めなかった。以上から、変異型 CALRのC末端によるMPL下流のJAK-STATシグナル活性化がMPN発症において重要な役割を果たしていると考えられる。
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