難治性造血器腫瘍である多発性骨髄腫において、骨髄腫細胞および骨髄腫前駆細胞の増殖制御には、NF-κBシグナルが重要であり、骨髄腫前駆細胞では活性酸素(ROS)に対する感受性が高かった。新たに見出したNF-κB阻害活性を有するTM-233は、ROSの産生を介して骨髄腫細胞および前駆細胞の増殖を抑制し細胞死を誘導した。また、細胞周期チェックポイントキナーゼWEE-1阻害薬MK-1775は、DNA損傷を介して骨髄腫細胞の細胞死を誘導した。 以上より、新規NF-κB阻害薬TM-233および細胞周期チェックポイント阻害薬MK-1775は骨髄腫に対する新たな治療薬となり得ると考えられた。
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