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2017 年度 実績報告書

PIGA遺伝子変異造血幹細胞の選択的増殖におけるCD109分子とTGF-βの役割

研究課題

研究課題/領域番号 15K09496
研究機関金沢大学

研究代表者

山崎 宏人  金沢大学, 附属病院, 准教授 (50361994)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード再生不良性貧血 / PIGA遺伝子変異 / GPIアンカー膜蛋白 / PNH型血球 / CD109 / TGF-β
研究実績の概要

再生不良性貧血に代表される自己免疫性の造血不全患者の末梢血中には、glycosylphosphatidyl inositol (GPI)アンカー膜蛋白が欠失した発作性夜間ヘモグロビン尿症 (paroxysmal nocturnal hemoglobinuria; PNH)形質の血球がしばしば検出される。この機序として、PNH形質の血球を産生するPIGA遺伝子変異造血幹細胞ではGPIアンカー膜蛋白が欠失しているために、造血抑制因子に対する感受性が低下していることが考えられる。この仮説を検証するために、TGF-βのco-receptorであるCD109分子の役割を検討した。
まず、健常人の骨髄細胞を用いて、CD34陽性細胞サブセット(CD34+ subset)におけるCD109の発現を評価した。フローサイトメトリー法により、顆粒球・マクロファージ前駆細胞において、CD109が発現していることを確認した。
また、TF-1はGM-CSF依存性の骨髄性白血病細胞株であり、TGF-βによって増殖が抑制される。我々は昨年度、CRISPR/Cas9システムを用いてCD109KO TF-1細胞を樹立し、限界希釈法を用いて純化に成功した。TF-1はδ-アミノレブリン酸 (ALA)により分化誘導され、ヘモグロビンを産生することが知られている。TF-1にδ-ALAを投与することでglycophorin A (GPA)の発現も誘導されることをフローサイトメトリー法により確認した。一方、CD109KO TF-1細胞ではδ-ALAを投与することなくGPAを発現していることを確認した。同時期に樹立したmock-transfected TF-1細胞ではGPAの発現を認めなかったことから、CD109欠損と血球分化との関連性が示唆された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2017

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Outcome of Second Transplantation Using Umbilical Cord Blood for Graft Failure after Allogeneic Hematopoietic Stem Cell Transplantation for Aplastic Anemia.2017

    • 著者名/発表者名
      Onishi Y, Mori T, Kako S, Koh H, Uchida N, Kondo T, Kobayashi T, Yabe H, Miyamoto T, Kato K, Suzuki R, Nakao S, Yamazaki H
    • 雑誌名

      Biol Blood Marrow Transplant

      巻: 23 ページ: 2137-2142

    • DOI

      10.1016/j.bbmt.2017.08.020

    • 査読あり
  • [学会発表] 再生不良性貧血の病態診断と治療選択2017

    • 著者名/発表者名
      山崎宏人
    • 学会等名
      第65回日本輸血・細胞治療学会総会

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公開日: 2018-12-17  

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