TGF-β副受容体であるGPIアンカー膜蛋白CD109が、PIGA遺伝子変異造血幹前駆細胞(HSPC)の優先的活性化に関与しているか否かを明らかにするため、白血病細胞株TF-1のCD109をノックアウト(KO)し、野生型との間で、TGF-βに対する感受性を比較した。その結果、CD109KO TF-1細胞では野生型TF-1細胞に比べてTGF-βによるリン酸化SMAD2の誘導が低下し、TGF-βによる細胞増殖の抑制が起こりにくいことが明らかになった。PIGA遺伝子変異HSPCは、TGF-βの作用増強を担うCD109の欠失によりTGF-βによる抑制を免れて造血に寄与しやすくなることが示唆された。
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