遺伝子改変を施したHSV-1であるT-01が21種類のヒト造血器腫瘍細胞株中16細胞株で殺細胞効果を示した。HSV-1レセプターnectin-1の発現レベル、T-01のエントリー量、殺細胞効果の三者に正の相関関係がみられた。これに一致して、nectin-1のノックダウン細胞においてT-01のエントリー量が減少し、nectin-1陰性細胞へのnectin-1強制発現によって殺細胞効果が付与された。 以上より、造血器腫瘍におけるHSV-1の殺細胞効果は、nectin-1を介したエントリーに強く規定され、nectin-1の発現が有効性のバイオマーカーになると考えられた。
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