• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2015 年度 実施状況報告書

HTLV-1キャリアにおける遺伝子変異の解析とその臨床的意義の解明

研究課題

研究課題/領域番号 15K09507
研究機関宮崎大学

研究代表者

日高 智徳  宮崎大学, 医学部, 講師 (40381115)

研究分担者 北中 明  宮崎大学, 医学部, 准教授 (70343308)
下田 和哉  宮崎大学, 医学部, 教授 (90311844)
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワードHTLV-1キャリア / 高リスク / 遺伝子変異
研究実績の概要

成人T細胞性白血病・リンパ腫(ATLL)に対する化学療法の効果は限定的であり、HTLV-1キャリアが一旦ATLLを発症した場合、治癒を得ることは極めて困難である。ATLLによる死亡者数の低減には、キャリアからの発症予防、早期の治療介入手法の確立が望まれる。これまでにHTLV-1プロウイルス量が高値のキャリアからATLLが発症することが報告されているが、高リスクと判断される集団はキャリア全体の29%におよび、実際にATLLを発症する比率(~5%)と大きく異なることから、さらに有効なスクリーニング法の開発が望まれる。
本研究ではHTLV-1キャリアを対象とした遺伝子解析を行い、ATLL細胞に認められるものと同じ遺伝子変異を持った無症候キャリアを見いだすことによって高リスクキャリアを同定することが可能か否かを検討する。今年度は、HTLV-1キャリアサンプルに対する遺伝子解析をする際に必要となる標的遺伝子の抽出と絞り込みを行うための基盤となる遺伝子変異情報の取得を目的に、ATLL細胞に認められる遺伝子変異の解析を行った。同時に、キャリア末梢血より得たサンプルを用いた網羅的遺伝子解析の実施が可能か否かについて予備的検討を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ATLL症例を対象に網羅的遺伝子解析を実施し、ATLL細胞に認められる遺伝子異常の完全なレジストリの作成を完遂し公表した。
HTLV-1キャリア末梢血より得たCD4陽性細胞を対象として前述のデータを利用した標的シークエンス解析が可能か否かを検討した。HTLV-1 DNA >20copies/1000PBMNCsのキャリアより採取し、凍結保存した末梢血単核球からCD4 (+) 細胞を濃縮し、遺伝子解析を実施したところ、いずれの検体でも標的シークエンス解析が可能であることが明らかとなった。

今後の研究の推進方策

HTLV-1プロウイルス量以外の指標として遺伝子変異の有無をマーカーとしたATLL発症高リスクHTLV-1キャリアの抽出法開発を目指した研究を実施している。これまでにATLL細胞に認められる遺伝子異常の完全なレジストリの作成を完遂し、HTLV-1キャリア末梢血CD4陽性T細胞を対象として遺伝子変異を解析するためのシステムを確立したことから、本年度の目的は達成出来たと考える。キャリア末梢血中の遺伝子変異を検出するためには目的とする変異を有する細胞が比較的高い頻度(5-10%程度)で存在することが必要であり、それが本検出系の問題点である。現在はCD4陽性細胞を濃縮して解析に使用しているが、今後はよりATLL細胞に特異的なマーカーであるTSLC1/CADM1陽性の細胞を検体とすることによって、さらなる検出感度の向上を図る予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2015

すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 4件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 2件)

  • [雑誌論文] TET2 Mutation in Adult T-Cell Leukemia/Lymphoma2015

    • 著者名/発表者名
      Shimoda K, Shide K, Kameda T, Hidaka T, Kubuki Y, Kamiunten A, Sekine M, Akizuki K, Shimoda H, Yamaji T, Nakamura K, Abe H, Miike T, Iwakiri H, Tahara Y, Sueta M, Yamamoto S, Hasuike S, Nagata K, Kitanaka A
    • 雑誌名

      J Clin Exp Hematop.

      巻: 55 ページ: 145-149

    • DOI

      10.3960/jslrt.55.145

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] Gene expression profiling of loss of TET2 and/or JAK2V617F mutant hematopoietic stem cells from mouse models of myeloproliferative neoplasms2015

    • 著者名/発表者名
      Kameda T, Shide K, Yamaji T, Kamiunten A, Sekine M, Hidaka T, Kubuki Y, Sashida G,Aoyama K, Yoshimitsu M, Abe H, Miike T, Iwakiri H, Tahara Y, Yamamoto S, Hasuike S, Nagata K, Iwama At, Kitanaka A, Shimoda K
    • 雑誌名

      Genomics Data

      巻: 4 ページ: 102-108

    • DOI

      10.1016/j.gdata.2015.04.002

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] Integrated molecular analysis of adult T cell leukemia/lymphoma.2015

    • 著者名/発表者名
      Kataoka K, Nagata Y, Kitanaka A, Shiraishi Y, Shimamura T, Yasunaga J, Totoki Y, Chiba K, Sato-Otsubo A, et al.
    • 雑誌名

      Nature Genetics.

      巻: 47 ページ: 1304-1315

    • DOI

      10.1038/ng.3415. Epub 2015 Oct 5.

    • 査読あり / 国際共著
  • [雑誌論文] Loss of TET2 has dual roles in murine myeloproliferative neoplasms: disease sustainer and disease accelerator.2015

    • 著者名/発表者名
      Kameda T, Shide K, Yamaji T, Kamiunten A, Sekine M, Taniguchi Y, Hidaka T, Kubuki Y, Shimoda H, Marutsuka K, Sashida G, Aoyama K, Yoshimitsu M, Harada T, Abe H, Miike T, Iwakiri H, Tahara Y, Sueta M, Yamamoto S, Hasuike S, Nagata K, Iwama A, Kitanaka A, Shimoda K
    • 雑誌名

      Blood

      巻: 125 ページ: 304-315

    • DOI

      10.1182/blood-2014-04-555508

    • 査読あり / 国際共著

URL: 

公開日: 2017-01-06  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi