研究実績の概要 |
好中球に関するTNFa-induced adipose related protein (TIARP)の役割に関しては、K/BxNマウス血清の移入の系を用いて、TIARP欠損マウスに投与することにより検討した。血清移入によりTIARP欠損マウスで関節炎は明らかに増悪した。また、TIARP欠損好中球のマイクロアレイの結果より、CXCR2や接着分子の強発現を確認した。一方、TIARP欠損滑膜細胞では、TNFa刺激により、リガンドであるCXCL2が過剰に産生され、これら2細胞の協調により、関節局所への遊走能が増強することを明らかにした。さらに、この実験系で、好中球遊走にはIL-6が強く関連することを阻害剤、及び骨髄キメラマウスで確認した。これらより、好中球遊走や、滑膜細胞のサイトカイン、ケモカイン産生にTIARPが深くかかわっていることを明らかにした(Inoue A, et al. Sci Rep. 2016)。 また、ヒトexon3欠損バリアントに介しては、ヒトTHP-1細胞にfull length のSTEAP4及びexon3欠損バリアントを強発現させ、機能解析を行っている。LPS刺激によるTNFaやIL-6産生に差異が見られ、下流シグナル蛋白であるNFkBとSTAT3のリン酸化の違いが認められ、現在論文を作成中である。 また、抗CCG7抗体に関しては、TNF, IL-6阻害薬、CTLA-4 Igなどの3種類の生物学的製剤により、治療後明らかに低下し、活動性とともに変動する新たな自己抗体として、論文を発表した(Umeda N, et al. Mod Rheumatol. in press)
|