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2015 年度 実施状況報告書

胚中心応答制御による自己免疫疾患の新規治療法開発

研究課題

研究課題/領域番号 15K09520
研究機関千葉大学

研究代表者

坂本 明美  千葉大学, バイオメディカル研究センター, 准教授 (90359597)

研究分担者 植松 智  千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50379088) [辞退]
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード自己免疫疾患 / 免疫学 / 内科
研究実績の概要

1.Bcl6欠損マウスおよびT細胞特異的Bcl6欠損マウスにおける抗原特異的免疫応答の解析:Bcl6欠損マウスおよびT細胞特異的Bcl6欠損マウスをNP-OVAで免疫し、胚中心応答と抗体産生能を解析した。その結果、どちらのマウスにおいても胚中心形成は認められなかった。このことから胚中心応答を誘導、形成するためにT細胞におけるBcl6発現が重要であることが明らかになった。
また、申請者らの研究室で以前報告したRag1欠損マウスへのリンパ球移入キメラマウスで明らかにした抗体産生は、B細胞がBcl6欠損の場合を評価できた。この系ではBcl6欠損B細胞のマウスでは高親和性の抗体価の上昇は見られず、低親和性の抗体価は野生型とほぼ同等のレベルに上昇した。ところが、Bcl6欠損マウスに直接免疫した場合、もしくはT細胞特異的Bcl6欠損マウスに免疫した場合は高親和性、低親和性ともに抗体価がほとんど上昇しなかった。このことからT細胞におけるBcl6の機能は胚中心応答に関わるだけでなく親和性を上げていないB細胞による抗体産生にも重要であることが明らかとなり Bcl6が広範な液性免疫応答に関わることが示唆された。
2.自己免疫疾患モデルマウスにおけるBcl6の役割:現在、ループスエリテマトーデスモデルや関節炎モデルをはじめ、複数の自己免疫疾患モデルにおけるBcl6の関わりの解析を進めている。活性化DNAをマウスに免疫してループスエリテマトーデスの発症を誘導する系で抗ds-DNA抗体価を上昇させることができたため、Bcl6欠損マウスを用いた実験を行っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

T細胞におけるBcl6の機能は免疫応答に大きく関与することが明らかになった。
また自己免疫疾患モデルマウスの系でもT細胞におけるBcl6の発現が関与する結果が得られている。

今後の研究の推進方策

1.誘導性自己免疫疾患モデルにおけるBcl6の役割を明確にする。また、自然発症自己免疫疾患モデルはマウスの背景が影響する系が多い。ゲノム編集の技術を開発してBcl6欠損マウスを作成する研究を試みる。
2.Bcl6の機能を阻害する化合物を探索し、自己免疫疾患の系で治療薬になりうるか評価する。
3.Bcl6の標的遺伝子をChIPシークエンス等で明らかにする。

次年度使用額が生じた理由

平成27年度は研究代表者の部局異動があり、実験動物もクリーンアップによる移動を行う必要があった。そのため、規模を拡大して実験を行うことが困難で、実験内容が限定的になった。
異動もほぼ終了のめどが付き、実験動物の繁殖が行えるようになった。

次年度使用額の使用計画

自己免疫疾患モデルマウスによるBcl6の役割を解析するため、実験動物の飼育費が多く必要になる。さらにBcl6阻害剤の検索を目的に、機能検出のための抗体や、定量PCRのための酵素等の試薬が必要になる。Bcl6の抗体はあまり良いものがなく、ChIPシークエンス用にTag付きのペプチドBcl6阻害剤を用いる。さらにゲノム編集のための試薬費等に使用する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2015

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Roles of B Cell Leukemia/Lymphoma 3 in the development of T follicular helper cells and the pathogenesis of rheumatoid arthritis.2015

    • 著者名/発表者名
      Meguro, K., Suzuki, K., Hosokawa, J., Sanayama, Y., Tanaka, S., Furuta, S., Ikeda, K., Takatori, H, Suto, A., Sakamoto, A., Ohara, O., Nakajima, H.
    • 雑誌名

      Arthritis & Rheumatology

      巻: 67 ページ: 2651-60

    • DOI

      10.1002/art.39266.

    • 査読あり / 国際共著
  • [学会発表] Nczf欠損における個体発生異常とp27との関与2015

    • 著者名/発表者名
      寺竹洋一、藤村理紗、坂本明美、有馬雅史、幡野雅彦
    • 学会等名
      第38回日本分子生物学会年会
    • 発表場所
      神戸ポートアイランド(兵庫県・神戸市)
    • 年月日
      2015-12-01 – 2015-12-04
  • [学会発表] 1.Role of enteric neurons in regulation of intestinal homeostasis.2015

    • 著者名/発表者名
      Fujimura L. Sakamoto A. Arima M. Tokuhisa T. Hatano M.
    • 学会等名
      第44回日本免疫学会学術集会
    • 発表場所
      札幌コンベンションセンター(北海道・札幌市)
    • 年月日
      2015-11-18 – 2015-11-20

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公開日: 2017-01-06  

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