研究計画1: マウス関節炎モデル(CIA)が確立し、足関節の軟骨におけるMTF-1ならびにMMP-3のmRNA発現の亢進を認めた。一方、軟骨特異的ZIP8過剰発現マウスではCIAの明らかな悪化を認めなかった。また軟骨特異的MT-1/2欠損マウスにおいても関節炎に関連する明らかな表現型を認めなかった。 研究計画2: マウス脾細胞より単離したナイーヴヘルパーT細胞をTh17条件下で培養した際、複数の亜鉛トランスポーターのmRNA発現が増強されることを見出し、その経時的変化を確認した。一方、細胞内Zn2+濃度変化との関連は明らかではなかった。また、MT-1/2ノックダウンによるTh17分化に明らかな影響は認められなかった。 研究計画3: CIAの滑膜組織あるいはリンパ節では、明らかな亜鉛トランスポーター発現の増強は認められなかった。 以上より、マウス関節炎ならびにヘルパーT細胞分化において、亜鉛トランスポーターは有意な役割を果たしていないことが明らかとなった。
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