研究課題
天然アミノ酸であるシトルリンを含む環状ペプチド(cyclic citrullinated peptide; CCP)に対する抗体(anti-citrullinated protein antibodies; ACPA) は、関節リウマチ(RA)患者に特異的に出現する自己抗体である。その自己抗原を同定することでACPAの誘導メカニズムやRAとの病態を考察する研究が進められている。本研究では、我々が単離したシトルリン化ペプチドcfc1-cyc と結合するRA患者由来モノクローナルACPA(CCP-Ab1)を用いて、その抗原の同定を進めた。平成29年度は、実施した質量分析にて見出された候補抗原の検証を行った。その結果、CCP-Ab1は非変性状態のフィブリノーゲンと結合し、変性状態のフィブリノーゲンとは結合しないことが示された。CCP-Ab1がどのように誘導されたのかを考察するために、CCP-Ab1のアミノ酸配列を、体細胞突然変異が起こる前の生殖細胞のアミノ酸配列に戻し、cfc1-cyc及びフィブリノーゲンとの結合性を確認した。生殖細胞のアミノ酸配列に戻したCCP-Ab1はcfc1-cycと結合するが、フィブリノーゲンとは結合しないことが示された。CCP-Ab1は多数の変性タンパク質と結合することが示されており、さらに非変性状態のフィブリノーゲンとも結合することが示された。本研究より、変性タンパク質の刺激よってB細胞の成熟が進み、体細胞突然変異が起こることでフィブリノーゲンとも偶発的に結合する能力を獲得したと示唆された。
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