研究課題/領域番号 |
15K09525
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
三枝 淳 神戸大学, 医学部附属病院, 講師 (20514970)
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研究分担者 |
森信 暁雄 神戸大学, 医学研究科, 准教授 (10294216)
河野 誠司 神戸大学, 医学研究科, 特命教授 (20351512)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 関節リウマチ / 滑膜細胞 / グルタミノリシス / メタボロミクス / 代謝 / 解糖系 |
研究実績の概要 |
関節リウマチ(RA)滑膜細胞で発現が上昇していることが判明したGlutaminase 1 (GLS1)について、その特異的阻害薬の投与によってマウス関節炎を抑制することができるか否かの検討を行った。 RAモデルマウスであるSKGマウスにGLS1の特異的阻害薬であるCompound 968を週3回腹腔内投与したところ、SKGマウス関節炎の臨床的スコアおよび病理学的スコアが対照群と比較して有意に低下した。さらに、関節滑膜組織の免疫組織学的検討を行ったところ、治療群の滑膜組織ではKi-67陽性細胞の数が有意に減少していた。この結果より、Compound 968は滑膜細胞の細胞増殖を抑制していることが明らかとなった。 一方、免疫担当細胞についての検討を行ったところ、Th17細胞の数はCompound 968治療群と対照群とでは有意差を認めず、Treg細胞の数は治療群でむしろ低下していた。 以上の結果から、GLS1阻害薬は滑膜細胞のcell cycleを制御して細胞増殖を抑制することによりマウス関節炎を抑制していることが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
in vitroの実験で見出された候補分子GLS1の特異的阻害薬をマウス関節炎モデルに投与することにより、関節炎抑制効果を確認することができた。
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今後の研究の推進方策 |
滑膜細胞でGLS1の発現が上昇しているメカニズム、およびGLS1阻害により滑膜細胞の増殖が抑制されるメカニズムを解明する。 GLS1以外の代謝酵素と滑膜細胞、関節炎との関連の検討を行う。
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