研究課題
本年度はCD226陽性CD8陽性T細胞のサイトカイン産生プロファイルを明らかにするため、健常者末梢血単核球をPMA+Ionomycinで刺激後、CD226陽性および陰性CD8陽性T細胞における各種サイトカインの産生をフローサイトメトリーにて比較した。CD226陽性CD8陽性T細胞では各種サイトカイン(IFN-γ、IL-4、IL-5、IL-13)の産生が高かったが、興味深いことに、タイプ2サイトカイン(IL-4、IL-5、IL-13)のほとんどすべてがCD226陽性CD8陽性T細胞から産生されていた。これらのタイプ2サイトカインの中で最も産生量が多く、向線維化サイトカインとして報告されているIL-13に関して詳細な解析を行った。細胞内染色によるフローサイトメトリー解析の結果、IL-13は主にCD226高発現CD8陽性T細胞から産生されており、IL-13産生CD226高発現CD8陽性T細胞は強皮症患者で健常者と比較して有意に増加していた。次にCD226を介した共刺激シグナルの重要性を明らかにするためにCD226のリガンドであるCD155を高発現したヒト臍帯静脈内皮細胞とCD8陽性T細胞の共培養を行ったところ、CD226阻害抗体により共刺激シグナルを阻害するとCD8陽性T細胞のエフェクター機能が抑制されIL-13やIFN-γ産生が有意に低下した。以上より、IL-13産生CD226高発現CD8陽性T細胞は強皮症患者で健常者と比較して有意に増加していること、CD226高発現CD8陽性T細胞はCD226/CD155共刺激シグナルを介してサイトカインを産生することが明らかになった。
2: おおむね順調に進展している
順調に経過している
本年度までの結果を踏まえ次年度はCD226陽性CD8陽性T細胞の内皮細胞傷害活性等につき検討する。
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