研究課題
(1)BeffにおけるRANKL発現の分子機構: B細胞のRANKL発現に重要なBCR/CD40下流のシグナル経路を明らかにするために、MAPK (ERK, JNK, p38 MAPK)、NFκB、CyAなどの選択的阻害薬を使用し、RANKL mRNAの発現変化を評価した。その結果、ERKとNFκB経路の阻害薬では濃度依存的にRANKL発現の抑制を認めた。一方、JNK阻害薬とCyAでは抑制効果を認めず、p38 MAPK阻害薬ではごくわずかの抑制であった。以上より、RANKL発現にはBCR/CD40下流のCa2+非依存性経路の重要性が示唆されるが、これらのシグナル経路はOPG発現にも作用する可能性があり、RANKL/OPG発現比という形でさらなる検討が必要である。(2)Beffによる破骨細胞分化の誘導: BeffはRANKL以外にも様々な分子(サイトカインなど)を産生しているため、BeffのRANKL自体が破骨細胞分化を誘導できるかを検討した。RAW-Venus1細胞にて破骨細胞分化を簡便にモニターできる系を使用し、BCR/CD40刺激、さらにはIFN-γ追加による活性化B細胞との共培養が破骨細胞分化を誘導し、この現象は抗RANKL抗体(デノスマブ)で阻害できた。以上より、Beff由来のRANKLが直接破骨細胞分化を誘導することが判明した。(3)RA患者Breg(B10)の機能異常: RA患者のBreg機能について検討した。RA患者由来B細胞のCpG刺激によるIL-10産生能は健常人と比較して低下し、その変化はmemory B細胞で著明に見られた。また、共培養による活性化T細胞のIFN-γ産生変化としてBreg機能を評価した結果、RA患者由来B細胞ではBreg機能が著明に低下していた。今後、この機能低下の分子機構のさらなる解明が必要である。
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http://www.1nai.med.kyushu-u.ac.jp