研究課題/領域番号 |
15K09530
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
玉井 慎美 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 准教授 (60380862)
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研究分担者 |
上谷 雅孝 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 教授 (40176582)
青柳 潔 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 教授 (80295071)
岩本 直樹 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 助教 (80437897)
川上 純 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 教授 (90325639)
古賀 智裕 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 助教 (90537284)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 関節リウマチ / MRI / 関節裂隙狭小化 / 軟骨傷害 |
研究実績の概要 |
関節リウマチ(RA)において関節裂隙狭小化(joint space narrowing: JSN)、すなわち関節軟骨傷害は骨びらん形成よりも早期に出現し機能障害を来す。関節軟骨傷害の抑制は今後の重要な課題である。本研究はMRIを用いてRA軟骨傷害を評価し、将来的に軟骨再生医療につなげる研究である。平成30年度は前年度までの登録症例に対しケモカインおよびサイトカインのアレイ解析を実施した。2010年RA分類基準を満たすRAを対象に両手単純X線、症状の強い方の手指関節MRIを6ヶ月ごと、血液検査と疾患活動性DAS28-ESRを3ヶ月ごと1年間フォローした。解析対象は17名で女性70.6%、年齢59歳、罹病期間9ヶ月、自己抗体陽性88.3%、初診時の疾患活動性DAS28-ESRは初診時 4.54、6ヶ月後の寛解達成率は60%、1年後は100%であった。初診時のGenant-modified Sharp score(GSS)2.04(びらんスコア1.02、JSNスコア0.96)で、GSS>0は76.5 %(13例:JSNのみ3例、びらんのみ4例、JSNおよびびらん6例)であった。RAのMRIスコア(RAMRIS)は滑膜炎7、骨髄浮腫8、びらん6、JSN 20であった(いずれも中央値)。X線進行は9例(52.9%)認められ、初診時GSS 0の4例中1例(びらん)、初診時びらんの存在する10例中8例(JSN進行4例、びらん進行6例、びらんとJSN進行2例(重複あり))であった。初診時JSNのみ存在する3例はX線進行しなかった。GSSの JSNスコアとRAMRISのJSNには有意な相関を認めなかった。特にJSN進行例はX線非進行例に比べてRAMRIS滑膜炎、骨髄浮腫、びらん、JSNスコアいずれも高値であった。また軟骨細胞より分泌されるケモカインのRANTESは減少、MCP-1とMIP-1は増加傾向が認められた。インターロイキン、MMP-2、-9、-13は経過中有意な変化を認めなかった。
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