研究実績の概要 |
【方法】DBA/1マウスに2型コラーゲンを免疫し関節炎を誘導してIL-2ICを投与した。治療効果は関節腫脹スコアで評価した。マウスの関節をFoxp3抗体で免疫染色し、関節におけるTregの発現を観察した。Tregの抑制能はコントロールマウスのCD4+CD25-細胞をCFSEで標識し、各群のマウス脾臓から調整したCD4+CD25+細胞を共培養しFACSでCFSEの発現を測定し解析した。細胞内サイトカインは脾臓から調整した細胞を刺激・染色しFACSで解析した。【結果】関節腫脹スコアはIL-2IC群において、PBS群より有意に抑制された。IL-2IC投与1週間後の末梢血中のCD4+CD25+Foxp3+Tregの割合は、コントロールPBS投与群の約2倍に増加した。また病理組織学的所見でも、IL-2IC群で有意に関節組織へのリンパ球浸潤が抑制された。IL-2IC群で関節内のFoxp3陽性細胞を有意に多く認めた。脾臓Treg数とTregのIL-10発現は、IL-2IC投与により有意に増加し、脾臓CD4+T細胞のIFN-γ,IL-17の発現はIL-2IC投与により減少していた。IL-2IC投与によりTregの抑制能は増強していた。【結論】CIAにおいて、IL-2IC投与により、Treg細胞数のみならず、Treg活性も増強し、IFN-γ、IL-17の発現を抑制することが示唆される。
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