研究課題
多発性筋炎/皮膚筋炎 (PM/DM)は全身性自己免疫疾患であり、30-50%にも間質性肺病変(ILD)を合併し、PM/DM に伴うILD (PM/DM-ILD)はその生命予後に大きく影響する。PM/DM のなかでも、抗アミノアシルtRNA合成酵素(ARS)抗体陽性例ではより高頻度にILDを伴う。臨床的に筋炎兆候を認めない皮膚筋炎(CADM)は抗CADM140/IFIH1/MDA5抗体陽性となる頻度が高く、急速に進行するILDを合併することが日本では多く、日本人独特な遺伝的素因の存在が示唆されている。これまでに相模原病院では関節リウマチに伴うILDの遺伝要因についての研究を行ってきた。この研究成果で発見された59 SNP(36遺伝子)を対象にした候補遺伝子アプローチを、 PM/DM-ILDに関して行い、 PM/DM-ILDの病態を解明することを目的とする。本研究は相模原病院をはじめとした25施設の倫理委員会によって承認されている。PM/DMの主要死因は、合併する悪性腫瘍とILDであり、PM/DM-ILDはその生命予後に大きく影響する。我々はこれまでの研究で、関節リウマチに伴うILDの疾患感受性遺伝子をSNPに基づくGWASにより探索し、すでに36の候補遺伝子(59 SNP)を特定している。関節リウマチに伴うILD はPM/DM-ILDと共通した病因・病態を持つ可能性があるため、本研究では、HLAと上記の59 SNP(36遺伝子)を対象にした候補遺伝子アプローチを行い、PM/DM-ILD感受性遺伝子の探索を中心として、PM/DM-ILDの病態を解明することを目指している。
2: おおむね順調に進展している
検体の収集はおおむね順調に進んでいる。
今後も筋炎症例の検体収集を確実に続けながら、遺伝子タイピングを行い、解析を進めていく。
実験や解析などに時間を要したため。
解析経費として使用する。
すべて 2017 2016
すべて 雑誌論文 (8件) (うち国際共著 8件、 査読あり 7件、 謝辞記載あり 7件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 2件)
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