関節リウマチ(RA)の臨床データベースを用いて、生物学的製剤の治療効果における喫煙の影響を治療標的別に多変量ロジステイック解析しオッズ比で検討し、喫煙がTNF阻害薬の効果不十分による治療中断を有意に増加させることを示し、喫煙がTNF阻害薬の効果減弱に影響していることを示した。また、RA患者由来の滑膜細胞株を用いた実験により、TNFaによるNF-kBの活性化、炎症性サイトカインの産生誘導が喫煙含有物の添加により増幅されることを示した。TNFaと喫煙(AhR)シグナルの間には、NF-kB活性化においてクロストークがあることが示唆され、喫煙によるTNF阻害薬の治療抵抗性のメカニズムと考えられた。
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