研究課題
当初の予定では、骨髄由来樹状細胞にshRNAを導入するよていであったが、予想されていたとおり、shRNA導入効率が極めて悪く、導入細胞は1%程度であった。なんとか条件を変えて、CD86に対するshRNAを入れたが、コントロールと比較して抑制効果は極めて、微弱で有り、このシステムではこれ以上の結果を期待することは無理と考えた。続いて、樹状細胞のcell lineであるDC2.4を使って、shRNAの導入した。導入効率は低かったが、骨髄由来樹状細胞よりも良好であった。さらにDC2.4の抗原提示能、すなわち抗原特異的CD4T細胞産生能が備わっているか、in vitroにてDC2.4とnaive CD4 T細胞を共培養し、抗原の有無によるCD4 T細胞の変化を解析した。抗原刺激に伴い、CD25の発現は明らかに上昇しており、刺激が伝達されていると考えられる。しかしサイトカイン産生は低く、抗原刺激ののち、PMAとIonomycinの刺激を行った細胞内サイトカイン像であるが、サイトカインの検出は微弱であった。抗原刺激をしたDC2.4をナイーブマウスに気管より移入し、喘息モデルの作成を試みたが、メサコリンに対する気道過敏性亢進、好酸球性気道炎症、BALF中の2型サイトカインの上昇は認められなかった。DC2.4にCD80, CD86に対するshRNAも導入したが、元々発現量が高くないためか、ほとんど変化無く、明らかに差を見いだすことはできなかった。以上より、この実験系で仮説を証明することは難しいとの結論に至った。
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Allergology International
巻: 66 ページ: 89-96
10.1016/j.alit.2016.05.012