研究課題
基盤研究(C)
自己免疫疾患の分野では、免疫寛容に導く樹状細胞(tDCs)を用いた抗原特異的な治療が注目されている。また各種物質で誘導されたtDCsはいずれも一長一短であった。本研究では、Cキナーゼ阻害剤(PKCI)、IL-10 、TGF-beta、vitamin D3、dexamethazone、rapamycin、PPARgamma+retinoic acid の6種類で誘導されたtDCsとの比較検討を行い、制御性T細胞誘導能、二次リンパ節への遊走能、炎症環境下での安定から、PKCI-tDCsが最も良いことを明らかにした。また、シェーグレン症候群患者末梢血から、PKCI-tDCsの誘導は可能であった。
膠原病・アレルギー内科学
ヒトのtDCsの治療効果については、欧州や米国を中心にI型糖尿病,関節リウマチ, クローン病、多発性硬化症に対して臨床試験が進められている。これらの試験において、いずれも安全性は確認されており、効果もあることが報告されている。これらの臨床研究で用いているtDCsは様々な方法で誘導したtDCsを用いているが、我々はPKCI-tDCsが最も良いことを明らかにした。PKCI-tDCsは自己免疫疾患における抗原特異的免疫抑制療法の有力なツールになることが期待される。