研究課題/領域番号 |
15K09553
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研究機関 | 国際医療福祉大学 |
研究代表者 |
太田 昭一郎 国際医療福祉大学, 福岡保健医療学部, 教授 (20346886)
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研究分担者 |
出原 賢治 佐賀大学, 医学部, 教授 (00270463)
小川 雅弘 佐賀大学, 医学部, 助教 (90599317)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | ペリオスチン / マトリセルラータンパク質 |
研究実績の概要 |
本研究課題では、アレルギー炎症の病態において、ペリオスチンが炎症メディエーターとして産生され、、標的細胞にシグナルを誘導する過程を解明することを目的とする。平成28年度までに、下記の研究を行った。 1. インテグリンαVβ3を強制発現させたSW480細胞を、タンパク質を固相化したプレートに播種し、接着した細胞数を定量するシステムを構築した。このシステムを用いて、リコンビナントペリオスチンタンパク質を固相化するとインテグリンαVβ3強制発現SW480細胞のプレートへの接着が有意に増強することを確認した。さらに、これをスクリーニングシステムとして、インテグリンαVβ3強制発現SW480細胞のペリオスチンに対する接着を阻害するモノクローナル抗体を作製した。 2. この接着阻害抗体が、接着に伴うペリオスチンのシグナル誘導能を阻害するかどうか、NF-κBレポーター遺伝子を組み込んだNIH/3T3のアッセイを行った。 3. 既存の抗ペリオスチン抗体を用いて、血漿中からペリオスチンを免疫沈降した。免疫沈降物をSDS=PAGEで分離し、タンパク染色で、共沈してくる他の分子のバンドが認められた。これらのバンドに含まれる分子を質量分析で確認すると、複数の分子が同定され、ペリオスチンと結合している可能性が示唆された。これら分子のペリオスチンとの結合をin vitroで解析した。 平成29年度は、2.で得られた抗体のペリオスチンの阻害効果が認められなかった。また3.で得られた候補分子との結合が確認できなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ペリオスチン結合分子の同定およびペリオスチン阻害抗体の作製が未完了のため。
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今後の研究の推進方策 |
平成29年度は研究が遅滞したので、補助事業期間を平成30年度まで延長した。引き続き、ペリオスチン阻害抗体の取得とペリオスチン結合分子の同定を行う。ペリオスチンによるシグナルの経路解明のために、ペリオスチン刺激細胞のプロテオミクス解析や、阻害抗体取得のための免疫抗原や免疫方法の変更も考慮して研究を進める予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究者の所属機関変更に伴う業務量の著増および研究代表者の健康状態の悪化により当初予定した分量の研究が行えなかったため。 次年度は当初今年度分として予定された研究計画に則って執行する。
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