研究課題
本研究課題では、ペリオスチンのマトリセルラータンパク質としての機能を明らかにするため、ペリオスチンの受容体を含む結合分子を同定解析することで、ペリオスチンによるシグナル誘導機構を解明ことを目的とする。平成30年度までに、下記の研究を行った。1. SW480細胞にインテグリンαVβ3を強制発現させたものをプレートに入れ、接着した細胞数を染色して定量できるシステムを作成した。このシステムを用いて、ペリオスチン固相化プレートへの接着が有意に増強することを確認した。さらに、これをスクリーニングシステムとして、インテグリンαVβ3強制発現SW480細胞のペリオスチンに対する接着を阻害するモノクローナル抗体を複数作製した。2. NF-κBレポーター遺伝子を組み込んだNIH/3T3のアッセイで、1で得た抗体の一つが、が、接着に伴うペリオスチンのシグナル誘導能を阻害することを確認した。3. 既存の抗ペリオスチン抗体を用いて、血漿中からペリオスチンを免疫沈降した。免疫沈降物をSDS-PAGEで分離し、タンパク染色で、共沈してくる他の分子のバンドが認められた。これらのバンドに含まれる分子を質量分析で確認すると、複数の分子が同定され、ペリオスチンと結合している可能性が示唆された。これら分子の内少なくとも一つがペリオスチンとの結合していることを確認した。4. プレートに播種した亜種BaF3細胞の接着が、ペリオスチン固相化により減弱することがわかった。これにより、ペリオスチンはインテグリンを介した接着の促進に加え、未知分子を介した接着の阻害作用を持つことが示唆された。現在これに関与する分子を同定中である。
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (12件) (うち国際共著 3件、 査読あり 12件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (5件) 図書 (2件) 備考 (1件)
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