研究課題
慢性気道炎症を有する気管支ぜん息(以下、ぜん息)における気道局所および全身のIL-10産生B細胞(制御性B細胞)の存在とその表面マーカーの同定を試みた。制御性B細胞は、IL-10を産生する機能を有するBリンパ球と定義した。健常者における末梢血Bリンパ球(CD19陽性細胞)は、全リンパ球の約10%程度で、そのBリンパ球のうち自然(n)にIL-10を産生するn制御性B細胞はフローサイトメトリーで0.3%と極めて少なく、Phorbol 12-myristate 13-acetate(PMA)とIonomycin(IOM)刺激(s)では、4時間後をピークとして0.8%まで増加することが示された。しかしCpGDNA(ODN2006)を追加刺激(s)しても、s制御性B細胞分画は変化しなかった。また健常人とぜん息患者との末梢血制御性Bリンパ球分画では有意差はなかった(p>0.05)。気道局所では誘発喀痰を用いたが、誘発喀痰中のB細胞分画は1.0%未満であり、その中からIL-10産生細胞分画は検出できなかった。つまりフローサイトメトリー法による気道あるいは全身性制御性B細胞の同定は困難であると言える。したがって、ぜん息における気道制御性Bリンパ球の存在あるいはその意義について不明のままである。今後はリンパ節組織を用いた制御性B細胞の存在あるいは意義について検証していく必要があると考えられた。
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